*結露する家の特徴*

 結露する一番の原因は、暖房が必要な部屋だけを暖める『部分暖房』です。

 建物全体の断熱性が低く、結露防止のために湿った空気を入れないような構造をしていないからです。
 昔の家屋はすきま風の多い造りなので、室内の湿気がすきま風により外に排出され、部分暖房をしていたため外との気温差のなく、結露しませんでした。
 
現在の住宅は、建築材料の品質向上・施工技術の進歩・アルミサッシに変わったり…と、すきまが格段に少なくなり、気密性・断熱性が良くなりました。
 しかし、気密性が高く、換気不足で湿気の多い家の中で部分暖房をすると、暖房している部屋と、暖房していない部屋の間で温度差が生まれ、暖めていない部屋の隅や壁の中に結露が発生します。
 さらに間仕切壁の上下に『気流止め』が無いため、壁の中を冷たい空気が通り抜けて、室内側の表面に結露が発生する事があります。
 したがって部分暖房ではなく、建物全体の『全室暖房』をして家の中の温度差を出来るだけ少なくすることが大切です。
 
 
 
    *結露が発生するメカニズム*
 
 コップに冷たい水を入れておくとコップの外側に水滴が付きますよね。
 この水滴が「結露」です。
 この現象は住宅に於いても、寒い冬に日常いたるところで目にする自然現象です。
 
 結露が発生するメカニズムは、湿度が高い空気水蒸気を多く含むことが出来るが、冷たい空気は水蒸気を少ししか含むことが出来ません。
 例えば、温度が20℃、湿度が60%の状態から、温度だけが15℃に下がったとします。すると、湿度は82%に上昇します。さらに、温度が下がって湿度が100%を超えると、空気中の水蒸気は水滴に姿を変えます。この時の湿度を露点といい、この水滴が結露の正体です。
 温度20℃、湿度60%の空気の露点は12℃です。12℃以下になると結露が発生するというわけです。
 
 住宅の結露の仕組みも同じです。
 部屋の空気が露点よりも冷たい窓ガラスや、壁に触れるとその面に結露が発生します。また、部屋の水蒸気量が変化すると、露点も変化するので、ガラス面の温度が同じでも結露したり、しなかったりするのです。
 
 
 
    *結露の種類*
 
結露には、『表面結露』と『内部結露』があります。
 
 
◇『表面結露』とは、ガラスや壁の表面に発生する結露です。
 
 窓ガラス面や暖房していない部屋の壁など、他より冷たい箇所に、暖かく湿った空気が移動し、表面に水滴となって現れる結露です。
 寒い冬に暖房を効かせた室内は、暖かいので外気の影響で冷えた窓ガラスの表面に結露が発生します。また、北側の部屋にある締め切った押入れの壁に結露が発生することがあります。
 この様な結露の発生箇所によっては、放っておくとカビの発生や内装材の剥がれの原因になります。
 
 
◇『内部結露』とは、壁の中・天井裏・床下など、普段見えない部分で発生する結露です。
 
 壁体内部・小屋裏・床下など、目に触れにくい構造内部などで発生する結露です。
 壁の中に断熱材を充填した壁で、室内側に防湿層がない場合や、施工不良で防湿層に穴が開いていると、湿った空気が発生する可能性があります。
 防湿層とは、結露防止のために湿った空気を壁の中に入れないようにする構造のことです。